「人の死ほど安全確実な投資はない!」
なんともおぞましいフレーズから書き始めてしまいました…。皆さんはどう感じましたか…。アメリカでは、個人加入の生命保険は、個人の金融資産であるという考え方から、その生命保険を第三者に売ることが認められているそうです。そこで欲深い投資家達が考えだしたのが「生命保険の証券化」です。では、あるケースを基に考えて見ましょう。
<ケーススタディー>
80歳である男性は、現金を必要とする事態になりました。そこで、この男性は加入している生命保険をもとに現金化する方法を思いつきました。
●保険金200万ドル(約1億8000万円)の生命保険に加入
●年間保険料5万ドル
ケース1
生命保険の解約をする・・・・・・・・・・・・・返戻金約5万ドル
ケース2
生命保険買取業者と契約する・・・・・・・買取金額約20万ドル
あなたなら、どちらを選択しますか?迷わず「ケース2」ですよね…。では、なぜ4倍の金額で生命保険買取業者は買取れるのでしょうか!? 仕組みは簡単です。仮に80歳の男性が90歳で死亡した場合のケースで考えてみると…
1.買取った生命保険は、解約することなく買取業者が引き続き保険料を支払う
年間5万ドル×10年間=50万ドル
2.死亡時受取保険金200万ドル
200万ドル -(20万ドル+ 50万ドル) = 130万ドルの利益
どうですか!この利益!
…って事は、生命保険買取業者が損をするケースは、この80歳の男性が117歳で死亡しない限りありえないという事です(保険金が満額で支払われた場合です)。だとすればもっと高く買取ってくれる生命保険買取業者もあるかもしれませんよね…。でもよく考えて下さい。死亡しないと保険金が支払われないって事は…!?。ここまで言うと、もう容易に想像できますよね。そう「保険金殺人」です。にも関らず、それでも投資家たちは安全だといいます。理由は、「売買された複数の生命保険を束ねて証券化するため、誰の生命保険であるかは特定できない。つまり、保険金殺人が発生する可能性は低い」と言う訳です。人の死までも投資対象とするこの仕組み。モラルハザードを引き起こしかねないこの問題は、ニューヨークタイムズでも問題視しているようです。ある投資家は最後にこう言い残しています。
「医学の進歩が進み余命が延びても、経済情勢とは無関係に人は死ぬ。それだけ、確実なリターンが見込める手堅い金融商品である」
